今年1年お世話になりました。よいお年をお迎えください。

12月28日は弊社の仕事納めでした。
午前中で仕事を片付けて、昼食はスタッフ全員で、反省会と称してのすきやきパーティを事務所内で敢行しました。
社長の古い友人であり、弊社のお客様でもある肉屋さんから福島牛の最高級品をいただいのです。こんなに素晴らしい肉をこんなに簡単に食べていいのだろうかと全員恐縮しながらおいしくいただきました。ほんとうにごちそうさまでした。niku

午後は事務所の大掃除で体を動かし、肉でたらふくとなったお腹を減らし、夜は忘年会、師走の町へと繰り出しました。1次会は焼き鳥レストランで弾みを付けたあと、2次会はいつものスナックへなだれ込み、今年1年の憂さ晴らし、飲めや歌えの無礼講。気が付けば日付も代わり三々五々帰路についたのでした。
日中からおいしいものをいただき、久々に夜中まで遊ぶことでストレス解消、いい気分転換ができました。

ところで現在の日本において、ほとんどの人間は仕事、家庭、友人関係などで多かれ少なかれなんらかのストレスを抱えており、内閣府の発表(2012年1月)によると4人に一人は本気で自殺を考えたことがあり、その内20人に一人はここ1年以内に考えたことがあるという統計が出ています。先進国でこんな国は日本だけで全くの異常事態です。

ストレスは発散しないと精神的にはもちろん肉体的にも悪影響をもたらすことは周知の事実です。
そのため、みなさん様々な方法でストレス解消を試みているわけです。

ストレスの発散方法として自分以外の人間に対して直接(状況によっては間接的)、なんらかのカタチでぶつけることで解消することがありますが、ぶつけられた側は、さらに別の人間(通常自分より弱者や不利な人間や対象)へぶつけるというストレスの負の連鎖が起きてしまいます。子供たちのいじめや動物虐待に似た現象です。
これは、デフレスパイラルみたいなもので、他人にぶつけたその瞬間はすっきりしても根本的な解決にはなっていないため結局、再びわが身にふりかかってくるわけです。どこかで負の連鎖を断ち切らない限りストレスは増え続けていくということになります。

今年1年を振り返ってみて私自身が感じるストレスの最大の要因は“時間”です。締切のある仕事ですから時間をいかに効率よく使うか、限りある時間との闘いが日常です。その際に発生するスピードの摩擦熱みたいなものがいつしかストレスとして蓄積されているような気がします。
それをいかにして放熱するかが課題です。しかし前述の理由から負の連鎖だけは避けたいという意識が常にあります。

帰宅後、寝床から外を見ると冬の空にアンドロメダ星雲がゾウリムシのように浮いていました。アンドロメダは私たちの銀河系外で肉眼で見える唯一の銀河です。ふと地球からの距離が知りたくなり、枕元のスマホで調べてみると253万8000光年とのこと。ということは、今見ているアンドロメダの光は253万8000年前の光ということになるわけで、その当時の地球はどうなっていたんだろう、人類は存在したのかとさらに調べてみると、どうやら人類はすでに誕生していたらしく、ようやく石器を使い始めた時期らしいことがわかった。しかしどうでもいいけど人類の進化のスピードって、ものすごくのろいってのが笑えた。ざっくり紹介すると、人類誕生が約500万年前、そいつらが直立2足歩行するのが約400万年前、4つ足の人間が立って歩くまでなんと100万年もかかっているのだ。さらに道具(石器)を使うまで150~200万年の年数を要している。
そこから約250万年経った、つい最近、200年前そこいらでやっと産業革命である。「いったいおまえらそれまで何やってたんだよ。もっと工夫しろよ工夫をよ!」って言いたくなってしまう。それに比べて、今の人類の進化はいかにすばらしいことか、こんなに長くてのろい人類の進化が寝ながらにして、まさに手に取るように瞬時にわかってしまうのだから。
なんてことを考えていたら、いつしか心地よい眠りについていました。

最近、けっこうストレス解消になっていると思われるものに自分で作る鮮魚料理があります。
きっかけは、以前、買ってきたサンマを内臓を取らずに焼いて食べたところ生焼けだったらしく、見事にあたってしまい、それ以来サンマ料理は内臓を取って調理することにしたのです。そんなことをしているうちに、なぜか他の魚も捌きたくなり、サバ、アジ、イナダ、サゴシ、タイなどを買ってきては3枚におろして「クックパット」などで見よう見まねで、煮たり、焼いたりしていただいているのですが、自分で料理した魚は失敗もあるけど、少しでも美味いものをという本能みたいなチェック機能が働き、じっくり観察して、よく考えて、ていねいに行う、そしてじっくりと味わうことになります。これはプロセスの基本。これに勝るプロセスはありません。中身こそ違えど、やっていることは仕事と同じ、こんなことを休日の晩に真剣にやっているわけです。
そこからさらに派生して、切れる包丁はどれかなんて調べているうちに「世界最高のナイフは、日本の包丁だ」というコンラン卿の言葉に、出刃包丁の機能美や柳刃包丁の日本刀のような美しさに改めて気づかされたり、焼き魚を食べるときのご飯椀はシンプルな木製の漆器がいいなんて思ったりして、さらに踏み込んでいくと「禅」にたどり着き、結局そこからスティーブ・ジョブスの美意識に繋がって妙に納得したりしてるのです。

魚の頭を落とす感覚、腹を裂き内臓を取り出す触感、刺身で食う味、焼いて食う味は、きっと250万年前の石器を使っていた人類たちが感じたものと大差はないものでしょう。こんな一連の行為がなんらかの因果関係でストレスの転嫁になっているような気がします。

ちょっとしたことを、じっくり取り組むことで、けっこうストレス解消できるような気がします。ストレスをお持ちの方はお試しください。

でもなんといっても仕事における、私の一番のストレス解消は、お客様からの感謝の言葉に尽きます。「反響いいです!短い時間でいいものを作っていただきありがとう」というお客様からの言葉をいただくと、大概のストレスは吹き飛んでしまいます。来年もひとつでも多くのお客様の感謝の言葉をいただけるよう頑張りたいと思います。

みなさま、今年1年ほんとうにお世話になりました。来年もよろしくお願いします。
よいお年をお迎えください。(I)

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